勉強会:ブラケットによる治療期間の短縮

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

先日ブラケットの種類による治療期間短縮についてのセミナーを受講いたしました。
歯科矯正におけるブラケットとは、ワイヤー矯正を行う際に
ワイヤーを通すために歯に接着する装置のことです。
金属製のものやセラミック製のものなどがあり、
目立たないブラケットをご希望の患者様にはセラミック製のブラケットをおすすめしています。

ブラケットにアーチワイヤーを通し、強く固定して歯を動かしますが
ブラケットの種類によっては摩擦抵抗が起こり、歯が動きにくくなっていました。
エンパワーブラケットというブラケットは摩擦抵抗が少なく、
適切な加減の力をかけ続けていられるため、治療期間の短縮や、通院回数の減少に役立ちます。

多くの患者様が、矯正治療に対して長い期間がかかるデメリットを懸念していることと思います。
しかし、無理に刃を動かすスピードを早めると、
後戻りのリスクが高まるなど、危険な場合も多いのです。
博多プライベート歯科では、適切かつ患者様のご希望を叶えられる治療を実現させるため
様々な知見を広げてまいります。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑪

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

前回は舌小帯短縮症とはどのような状態であるかご紹介いたしました。
舌小帯短縮症の方は、舌を出した時に舌先がハート型のように割れます。
舌小帯が短いと、舌の動きが制限されることとなります。
歯並びは舌で歯を押す力や、頬の力とのバランスによって変わるため
舌が十分に動かせない状態では、歯並びが悪くなっていってしまいます。
また、上顎は舌が押し付けられることで広がるため
舌小帯短縮症によって舌が上顎の届かない状態では、上顎が十分に広がらず
上顎の歯並びも悪くなり、受け口になるケースが多く見受けられます。

舌小帯短縮症は幼児期に舌小帯を切除する治療を行うことも多いですが
大人になってから気づき、治療を望まれる方もいらっしゃいます。
軽度の舌小帯短縮症の場合は、切除までせずとも、舌小帯を伸ばすMFTが有効な場合もあります。
前回もご紹介した「あいうべ体操」の他にも
上顎に舌を吸い付け、勢いよく舌を下ろして「ポン」という音を出すトレーニングも有効です。

 

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑩

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

以前ご紹介したMFT「あいうべ体操」は、
軽度の舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)の治療にも有効だと言われています。

舌の裏にあるひだのことを舌小帯といい、
舌の運動機能の調節や、舌が後ろに下がるのを防ぐ役割があります。

舌小帯が短い、または舌小帯の付着部位が舌尖から
下顎前歯舌側歯槽部歯肉にまで続いている状態を舌小帯短縮症といいます。
多くは生まれつき舌小帯が短い先天性ですが、
外傷や舌の手術による瘢痕形成が原因となって
後天性の舌小帯短縮症となることもあります。

発音障害で受診し、舌小帯短縮症の発覚に至る事が多いのですが
乳児の場合は哺乳障害の原因ともなるため、
発音障害だけでなく、歯並びの不正の原因にもなってしまいます。

次回に続きます。

 

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑨

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。
今回はお顔の見た目の美しさの向上に焦点を当てたトレーニングをご紹介いたします。
もちろん見た目だけではなく、嚥下機能、発声機能などの衰えを予防する効果もあります。
歯並びではお悩みのない方も、将来のために実践してみてはいかがでしょうか。

■口角アップのためのトレーニング
①割り箸やウッドスティックなどを横向きにくわえます。
②くわえたまま両方の口角を持ち上げ「い」と声に出して言います。
 そのまま30秒キープして、3セット繰り返しましょう。

口を閉じたまま、舌で唇の周りの粘膜の内側を押しながらぐるぐると回す
「舌回し」も口輪筋のいいトレーニングとなります。
さらに唾液の分泌も促せるので、虫歯や歯周病、口臭予防にも繋がります。
マスクをしていれば周りの人にもわからず、日常でも難しくない動きなので
思い出したときに行うのもおすすめですよ。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑧

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。
前回唇の周囲の筋肉を鍛える方法として、ボタントレーニングについて紹介しました。
同じ口輪筋のトレーニングとして、風船をふくらませるという方法もあります。

①唇と頬の筋肉を使って風船を膨らませる
②口から風船を離して、入れた空気を抜く
③しぼんだ風船を再度唇と頬の筋肉を使って膨らませる

これを1日3分ほど続けるだけでも、MFTの効果が得られます。
特にお子さんの場合は、遊び感覚で日常に取り入れやすく
楽しんでトレーニングができることでしょう。

風船の他にも、息を吹き込むとピーと音が鳴って、巻いてある部分が伸びる
吹き戻し笛も、口輪筋のトレーニングに使うことがあります。

お顔の筋肉を鍛えることは、歯並びの改善だけでなく
お顔のリフトアップなどの効果も見込めるので
お子さんだけでなく大人の方にもおすすめですよ。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑦

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

今回は「ボタントレーニング」をご紹介します。
口輪筋という唇の周囲の筋肉を鍛えることができ、
口を開けたり閉じたりする動きや、口元の表情を作る表情筋の動きのトレーニングとなります。

用意するもの
・25~38ミリほどの大きめのぼたん
・ボタンの穴に通る糸 30センチほど

手順
①ボタンに糸を通して結びます。
②紐は手に持ったまま、ボタンを口に含みます。
③唇と歯の間に挟んだボタンを、唇の力だけで押さえます。
④紐を引っ張り、口からボタンが出ないようにお口をくぼませます。

30秒間を1日に3セット、もしくは3秒を10セット繰り返しましょう。
お子様の場合は保護者の方が紐を引っ張っていただいても構いません。
紐はしっかり結び、ボタンを飲み込まないよう注意して行ってください。
口をしっかり閉じられるよう訓練し、鼻呼吸を心がけましょう。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑥

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

今回ご紹介するのは「スラープアンドスワロー」という
正しい嚥下(飲み込み方)を覚えるためのトレーニングです。
喉だけを使って飲み込むことができるようになることが目標となります。
ストローと清潔なスプレー、水を使って行います。

手順
①両側の奥歯でストローを噛む。(ストローの両端が口の両端から出ている状態になる)
②ストローを噛んだまま舌先をスポットに置き、舌全体を口蓋(上顎)に吸い付ける
③口の端からスプレーで水を吹きかけ、口の中に水を入れる
④奥歯を噛み合わせたまま、舌の位置も動かさないまま水を吸い込んで飲み込む。
これを鏡を見ながら左右交互に5回ほど繰り返します。

鼻呼吸が難しい方や、口の筋肉が弱い方には難しく感じられるはずです。
正しい飲み込み方ができていないと、歯並びに悪影響があります。
改善できるよう訓練してみましょう。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは⑤

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

お家でも簡単にできるMFT(口腔筋機能療法)のひとつに
「ガラガラうがい」があります。
水を口に含み、上を向いて大きく口を開けたまま、声を出してガラガラとうがいを行うと
鼻から息を吸い、口から吐くことで鼻呼吸の学習のMFTとなります。
10秒間のうがい・5秒間静止・再度10秒間のうがい
これを2~3回繰り返した後、水を吐き出しましょう。

うがいは鼻呼吸の訓練にもなり、風邪など感染症の予防効果もあります。
また、現在は新型コロナウイルスの感染者数が全国的に増えていると言われています。
うがいではコロナウイルスを洗い流すことは難しいというデータもあるようですが、
口腔内を清潔に保つことは、免疫力の向上に繋がります。
口腔筋機能の改善を目的としない場合でも、うがいを生活に取り入れることをお勧めいたします。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは④

こんにちは。博多プライベート歯科のドクター前田です。

今回は舌を上に持ち上げる筋力を上げるための簡単な方法をご紹介します。
「ポッピング」と言われるこの方法は、誰もが1度はやったことがあるかもしれません。

①舌先を上顎のスポットに付けます。

②舌全体で上顎を吸いながら口を開き、舌小帯という舌の裏にある筋を伸ばします。
舌で上の歯を覆わないよう、歯列の内側の口蓋だけに舌が収まっている状態にしましょう。
舌は上顎の真ん中に位置していて、左右対称に吸えている状態にしましょう。

 

 

③舌を下に勢いよく下げ、「ポン」となるべく大きく音を鳴らしましょう。
吸い方が弱いと、小さな音しか鳴らせないはずです。

この運動は速く連続してやるよりも、ゆっくり10~20回ほど繰り返すのが大切です。
上顎を吸うことが難しい方は、まずは舌を下ろして
小さな音でも出してみることから始めてみてください。

道具が不要で、簡単なトレーニングですが
高齢者の奥地の健康を改善するための訓練として臨床現場で行われるMFTです。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは③

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

普段の舌の位置が大切で、歯並びにも強く影響するとご紹介いたしました。
舌を正しい位置に置いたとき、舌の先端が触れる箇所を
「スポットポジション」と呼びます。
上の前歯裏の、口蓋(上顎)の膨らみのすぐ後ろがスポットポジションです。
舌の先端はスポットポジションにあり、
舌全体は口蓋にピッタリとくっついているのが正しい状態です。
このスポットポジションは普段から意識することは難しいため、
癖をつけ、無意識に舌を正しい位置に置いておけるようになるためのトレーニングがあります。

1.アイスの棒や割り箸など、尖っていない木のスティックで
 スポットポジションに触れ、5秒数えます。
2.スティックを離して同じ位置を舌先で触り、5秒数えます。
 舌は丸めず、先を尖らせて行いましょう。

これを交互に5階繰り返すことで、体で覚えて
無意識下でも舌の位置を正すことができるようになります。
簡単なので、普段舌が上顎についていない方は
ぜひ挑戦してみてください。

勉強会:MFT(口腔筋機能療法)とは②

こんにちは。博多プライベート歯科ドクターの前田です。

前回はMFTというお口周りの
筋肉の機能改善トレーニングについてご紹介いたしました。
今回は口呼吸から鼻呼吸になれるよう、福岡市の医師が考案した
「あいうべ体操」をご紹介いたします。

「あいうべ体操」は、口や顔の筋肉を鍛えるための簡単な体操です。
日常的に取り組むことで、口周りの筋力を強化し、
口腔機能や表情の改善、口唇の美容効果を期待することができます。

手順
①「あ」と発声しながら口を大きく開ける

口を大きく開け「あー」と発声します。
5秒間キープしてリラックスします。

②「い」と発声しながら口を縦に伸ばす


口を閉じた状態から、「いー」と発声しながら口を左右に伸ばします。
5秒間キープしてリラックスします。

③「う」と発声しながら唇を突き出す


口を閉じた状態から、「うー」と発声しながら唇を丸くしましょう。
唇の内側の筋肉を意識して緊張させます。
5秒間キープしてリラックスします。

⑤「べ」と発声しながら舌を出す


口を閉じた状態から、「べー」と発声しながら舌を出し、下に伸ばします。
5秒間キープしてリラックスします。

このように、あいうべ体操は
「あ」「い」「う」「べ」という発声と共に
口や顔の筋肉を動かす簡単な体操です。
日常的に行うことで口元の筋力を向上させ、
口腔機能や表情の改善、口唇の美容効果を期待することができます。
ただし、無理な力を入れずに行うことや、
痛みや不快感がある場合は中止することが大切です。

あいうべ体操は、口や顔の筋肉を鍛えるための簡単な体操ですが、
効果を感じるためには継続的な取り組みが必要です。